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Know-how / 2020.02.14

ARPUとは?定義と計算方法、ARPPUなどとの違いを徹底解説

ARPUは、以前は携帯電話キャリアの収益の比較によく用いられていましたが、近年ではSaaSビジネスやネットサービスにも用いられるようになりました。特に、新しいビジネスモデルは従来の指標では施策の状態を測れないケースがあるため、ARPUは重要視されています。

この記事では、そんなARPUの定義と計算方法に加え、ARPUと似た指標であるARPPUについても解説します。

目次

ARPUとは

ARPUとは、「Average Revenue Per User」の略で、1人あたりの平均売上金額を表す指標です。かつては、主に通信事業の月額課金モデルのビジネスで使われていましたが、現在ではスマホゲームや動画配信サービスなど、月額課金サービスを行うビジネスの状態を適切に評価するものとして広く使用されるようになりました。ビジネスモデルにもよりますが、基本的にはユーザーの平均収益に課金したユーザー率を掛け合わせることで算出されます。

業態によってはその中で項目が細分化されるケースもあり、例えば通信事業者であれば「音声ARPU」「データARPU」など、通話料とデータ通信料を区別して算出されています。

ARPUは収益化や購入額の増減を測定する際にも活用できる指標で、ARPUの累積値を指標とするケースもあります。例えば、ゲームをプレイ開始してから1週間単位・1ヶ月単位と、特定期間内の累積額を調査することで、継続率と売上の相関性を分析することができます。

基本的に、アプリケーションビジネスやSaaSビジネスで売上を拡大してくためには、新規登録者を増やすか、ARPUを向上させる施策を打ち出すしかありません。こうしたビジネスモデルでは、普及率が一定水準を超えると加入者が伸び悩む側面もあるため、いかにARPUを伸長させるかが売上向上の鍵を握っているのです。

ARPU活用の背景

ARPUは、以前は通信キャリアの分野で活用されていたものの、近年はSaaSサービスやスマホゲームにも活用が広がり、一般的に認知されるようになったことはご紹介してきたとおりです。

当初、通信キャリアがARPUを使い始めた理由として、日本の通信市場がドコモ・au・ソフトバンクの3社による寡占状態であったことが挙げられます。これらの企業の競合によって市場は飽和状態となり、それ以上顧客を増やすことが難しくなりました。こうした背景から、各通信キャリアは、顧客1人あたりの売上金額を増やす方針に転換します。それに伴い、通信キャリアの業績評価の指標が、「顧客数」から「ARPU」へと変化しました。

このように、事業が走り始めたフェーズでは顧客数が重要視されるケースが一般的ですが、ある程度事業が成熟して認知度が高まると、顧客の単価や質が重視されるようになります。事業の認知度が拡大した段階では必ずといって良いほど求められるケースも多いため、ARPUの仕組みや考え方を理解しておくことが重要です。

ARPUはARPPUやARPAとどう違うのか

ARPUの他にも、似たような言葉に「ARPPU」や「ARPA」などがあります。これらは、ARPUとどのような違いがあるのでしょうか。以下で詳しく解説します。

ARPPUとの違い

ARPPUとは、「Average Revenue Per “Paid” User」の略で、「課金している」ユーザーの1人あたりの平均売上金額を意味します。

スマートフォンゲームアプリの急速な広がりにより、非課金ユーザーと課金ユーザーを分けて考える必要性が生じたため、ARPPUが使用されるようになりました。そのため、無料のプランを提供しているサービスにおいて、課金ユーザーのみの平均売上金額を指標とする際に用いられます。また、一部SaaSビジネスでも用いられています。

ARPAとの違い

ARPAとは、「Average Revenue Per “Account”」の略で、携帯キャリアのKDDIがARPUに代わって使用している指標です。ARPUとの違いは、1ユーザーに紐づいた金額ではなく、複数のユーザーアカウントを持っている場合でも1アカウントに統合し、平均売上金額を算出する点です。

近年の携帯端末の普及に伴い、1人で何台ものスマートフォンやタブレットを所有しているユーザーが増えました。そこで、端末ごとの平均売上ではなくアカウント(契約者1名あたり)ごとに区別して算出することが必要になり、使用されはじめた指標です。

【ビジネスモデル別】ARPUの計算方法

ARPUは1ユーザーあたりの平均売上金額なので、合計売上高とユーザー数が分かっていれば売上高をユーザー数で割ることで算出できます。よって、計算式は次のようになります。

ARPU = 売上高 ÷ ユーザー数

例えば、ユーザーが100人で売上高が1万円の場合は以下のように算出できます。

ARPU = 10,000 ÷ 100 =100円

しかし、上述の計算式では、過去の売上高に対するARPUしか計算できません。

では、ここからはビジネスモデルごとのARPUの計算方法をご紹介します。

課金モデルのケース

まずは課金モデルの場合を例にご紹介します。

課金モデルの場合、課金している1ユーザーあたりの平均売上高(ARPPU)に課金ユーザー率(Paid User Rate)を掛けたものがARPUになります。ARPPUは商品の単価、1回あたりの購入数、購入頻度から構成されます。計算式は次のようになります。

ARPU = ARPPU(課金ユーザー1人あたりの平均売上高)x PUR(課金ユーザー率)

例えば、あるアプリにおいて、1ヶ月ごとに商品を購入するユーザーの割合が30%、買い物をするユーザーの1ヶ月あたりの平均購入金額が2,000円、平均購入数が3点、購入頻度が1ヶ月に5回だとすると、計算式は以下のようになります。

ARPPU = 2,000 × 3 x 5 = 30,000円

ARPU = 30,000 × 30% = 9,000円

広告表示モデルのケース

広告表示モデルを導入している無料アプリの場合、ARPUはユーザー1人あたりのアプリ使用時に表示される広告の数に、広告単価(CPM)を掛けたものとなります。

エンゲージメントは、PVやアプリの滞在時間に加え、利用頻度などから構成されており、1ユーザーあたりのARPUの計算式は次のようになります。

ARPU =一人あたり広告表示回数 ×(CPM ÷ 1,000)

例えば、あるアプリにおけるCPMが600円で、1インプレッションごとの単価が0.6円の場合、このアプリにおける1日の1ユーザーあたりの広告表示回数が平均で30回だとすると、ARPUは以下のように求められます。

ARPU = 30 × 0.6 = 18円

クリック型・成果型広告モデルのケース

最後に、クリック型・成果型広告モデルの場合について解説します。

クリック型の広告を導入している無料アプリの場合、ARPUは1クリックあたりに発生する売上高(CPC)にクリック率(CTR)を掛けたものになります。

また、アプリインストール型広告(CPI広告)の場合も、ARPUの計算方法は同じです。クリック率(CTR)は広告がクリックされた回数を表示された回数で割ったものなので、1ユーザーあたりのARPUは次のように求められます。

ARPU = CPC × CTR

例えば、あるアプリにおけるCPCが20円だとして、1日に5万人のユーザーがアプリを使用した場合の広告表示回数が500万回、クリックされた数が50,000回だとすると、CTRは1%となります。そのため、ARPUは以下ように算出されます。

ARPU = 20 × 0.01 = 0.2円

このように、ARPUの算出方法はビジネスモデルによって異なるため、活用する際には注意が必要です。

ARPUの最大化に向けて

ARPUの最大化を実現するために、どのような方策があるのでしょうか。具体的にご紹介します。

上述のようにAPRUはビジネスモデルごとに計算式が変わるため、ARPUを最大化させる方法もビジネスモデルによって異なります。しかし、その一方でビジネスモデルに頼らずにARPUを最大化させることも可能です。この章では、ビジネスモデルに依存せずにARPUを向上させるための方法をご紹介します。

いずれのビジネスモデルであっても共通してARPUを最大化する施策は、顧客の購入頻度を向上させたり、アップセル・クロスセルを実現させたりすることであり、これらを達成するには「顧客ロイヤリティの向上」「無料ユーザーとの差別化」を図ることが不可欠です。

顧客ロイヤリティの向上

ARPUの向上に向けて顧客ロイヤリティを上昇させるには、初めに顧客ロイヤリティを数値化したうえで、その数値を継続して測ります。さらに、顧客の再購入やアップセル・クロスセルを提案するタイミングを数値に直して分析し、判定することが求められます。

この顧客ロイヤリティを数値化するために役立つ指標として、「NPS(Net Promoter Score)」というものがあります。NPSとは顧客ロイヤリティを測るために、企業やブランドに対する信頼度や愛着を数値化する指標です。顧客推奨度とも呼ばれ、企業の業績にも直結します。

NPSは感覚的な要素を測れる指標として多くの分野で採用されていて、欧米の売上上位企業の3割以上がNPSを採用していると言われています。また、ある統計調査によると、2018年度の国内NPS導入率は10.1%であり、一方で顧客満足度調査は5割以上の企業に導入されているというデータがあります。NPSはまだまだ一般的には普及していないものの、徐々に日本においても浸透し始めていることから、NPSの重要度は今後ますます高まるでしょう。

一般的に、NPSは下記のような手順で計測されます。

1.顧客に対し、「このサービスを周囲の人にすすめる可能性はどのくらいあるか」というアンケートを実施します。

2.おすすめる可能性を0から10までの11段階で評価してもらいます。

3.11段階のうち、0から6とした顧客を「批判者」、7から8とした顧客を「中立者」、9から10とした顧客を「推奨者」とします。

4.すべての回答者のうち、「推奨者」の割合から、「批判者」の割合を差し引いた数値がNPSです。

このように、NPSの計測は、調査項目がそれほど複雑ではありません。そのため、NPSが使われる理由にもなっています。

ちなみに、この計測方法は批判者とされる範囲が0〜6と広いことから、マイナス値になるケースがほとんどです。NTTコムオンラインが実施した調査データによると、ほとんどの部門において業界平均値、第1位の企業ともにNPSはマイナス値となっています。

実際にNPSを計測する際には、誤差を小さくできるように一定以上のサンプル数を集めることが理想的です。一方で、サンプル数を増やすほど調査にかかるコストがかさむので、予算と重要度を加味して調整しましょう。

まずはこのNPSを利用して顧客ロイヤリティを数値化したうえで、現状の満足度を確認することからはじめましょう。その後、数値を高める改善施策を行い、徐々にアップセル・クロスセルを行ってARPUを最大化させていけば効率的に売上アップが達成できます。

無料ユーザーとの差別化

施策を実施する際は、無料ユーザーとの差別化も重要なポイントです。

例えば、スマホゲームアプリで経験値を稼ぐのに苦戦していたり、参戦できるイベントが少なかったりするなど、ある程度の制限を受けている無料ユーザーがいたとします。彼らが、「簡単にレベルを上げたい」「もっと多くのイベントに参加したい」と思ったときに、敵を簡単に倒せる攻撃力の高い武器や、新しいイベントに参加するためのアイテムといった、課金アイテムがあれば、購入する意欲を後押しすることができるはずです。

まずはユーザーへの負荷が少ないメリットを与えてエンゲージメントを拡大しつつ、興味関心の度合いが高まった段階で購買に結びつけることが重要です。

まとめ

今回はARPUの概要や背景、また、ARPUの計算方法についてご紹介しました。

サブスクリプションサービスやアプリサービスなどが主流になる中、こうしたユーザーやアカウント単位で売上を計測する指標は非常に重要です。現在課金型や継続利用型のサービスを展開している企業はもちろん、今後サービス展開を検討している企業はARUPについてしっかり理解しておきましょう。

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