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Know-how / 2020.02.12

CDP(カスタマーデータプラットフォーム)とは?機能やメリット解説

CDPは、2012年頃に登場したDMP(Data Management Platform:データマネジメントプラットフォーム)から発展したもので、それぞれ異なる特徴を持っています。マーケティング環境の変化にともない、より高度な機能を持つデータ基盤が必要とされてCDPが誕生しました。

目次

CDP(カスタマーデータプラットフォーム)とは

CDPはCustomer Data Platform(カスタマーデータプラットフォーム)の略で、直訳すると顧客データ基盤という意味です。顧客一人ひとりをキーとして属性や行動履歴など様々なデータを収集、蓄積・統合し、分析を行うことができるシステムです。

元々の発祥の起源は、マーケティングテクノロジーの専門家で技術アナリストであるアメリカのデビッド・ラーブ氏らが、社内のマーケティングシステムが相互に接続されていないことから、提供されるデータが不完全だったり、期待した効果を発揮できなかったりすることを問題と感じ、顧客データベースを統合したシステムの必要性を唱えたのが始まりとされています。

CDPは、複数の部門でばらばらに運用されているデータベースを相互に接続し統合することが可能で、次世代型のデータベースとして認知されています。

CDPの特徴は、企業が保有する顧客データをサイトアクセス履歴、検索データ、位置データ、会員データ、メールデータ、購買履歴といった詳細な個人プロフィール情報と紐づけて、広告配信など様々な施策に活用できるようにしている点です。

また、社内の顧客データに加え、外部システムと連携して、店舗訪問時間やクーポン利用状況などの情報を取り入れて顧客の行動パターンを把握し、マーケティング計画の立案などに利用することができます。

CDPのニーズが高まった背景

CDPの必要性が高まった背景として、2つの事象が挙げられます。

1つ目は、PC、スマホ、タブレットなどの個人所有の端末が増えて、インターネット環境が成長したことにより、個人データの量が爆発的に増えたことです。

インターネットの発達の中で世の中に提供される情報量が膨大に増えましたが、その多くは人の目にとまらずに情報の波の中に飲み込まれて流れ去っています。そのような状況で従来のように不特定多数向けのマーケティングをしていては、コストはかかるが効率が悪いといった状況に陥りかねません。そこで重要なのは、個々の顧客に応じた的確な情報を的確なタイミングで発信していくことです。この流れは今後もIT技術革新によって爆発的に進むでしょう。

2つ目は、企業の部門間で顧客データの共有や連携をせず、各部門が独自の運用をしてデータが孤立するサイロ化が起きていることです。

顧客管理ツールの進化に伴い、個々人の顧客のニーズや嗜好に合わせた「One to Oneマーケティング」や、顧客との関係を醸成して商品やサービスの顧客満足度を上げる「リレーションシップ・マーケティング」など、顧客に合わせた情報発信をすることで顧客との関係性を育てていく手法が生み出されてきました。一方で、集められたデータが部門ごとで異なるマーケティングツールで取り扱われてしまい、それぞれが独自の顧客データを持つようになってしまって業務プロセスが縦割りになっている状態がデータの活用を阻害しているケースが散見されます。この課題を解決するために、CDPのニーズは年々高まっているのです。

CDPの定義

先述のデビッド・ラーブ氏が創立したCDP研究所では、当初CDPの定義を「マーケティング部門が運用するシステムで、永続的でかつ統合された顧客のデータベースであり、他のシステムからアクセス可能なものである」としていました。しかし、マーケティング部門がCDP導入を進めるケースが多く、さらに「マーケティング部門が運用するシステム」ということを強調したために誤解を招いたとしています。

現在の定義は2018年8月に改訂されたもので、「CDPは、他のシステムからアクセス可能で、永続的でかつ統合された顧客のデータベースであり、それを作成するためにパッケージ化されたソフトウェア」と定義しています。他のシステムからアクセス可能とは、CDPに保管されたデータが、顧客とのやりとりなどの分析や管理を行うために他のシステムで利用されることを意味します。

アクセスの方法は、API(Application Programming Interface:アプリケーションをプログラミングするためのインターフェース)、データベースからデータを抽出して処理するデータベースクエリ、ファイル抽出といったものがあります。

また、「永続的でかつ統合された顧客のデータベース」とは、複数のシステムから顧客データを収集し、特定の顧客に関する情報をつなぎ合わせ、その情報を保管して顧客の長期的な行動パターンを追跡することにより、個々の顧客に対しての包括的な情報を統合したビューを作成することを意味します。CDPは主に企業が独自に運用するシステムによって、データベースに集められた特定の顧客に関する情報を取り扱います。そして、CDPはデータベースに入力された全ての情報を無期限に保管しておきます。

ここでは、CDPの具体的な機能やDMPとの違いについて解説します。

CDPの主な機能

CDPの主な機能は、収集、蓄積・統合、分析、アクションの4つに分類できます。

収集は、複数のシステムやプラットフォームと連携し、顧客の自社サイト内での行動履歴や購買情報などの顧客データを収集することです。連携する対象としては、スマホアプリ、SNS、IoTデータ、会員登録情報、CRMやPOSなどのシステムが挙げられます。

蓄積・統合は、さまざまなシステムに散在するデータソースを1つのデータベース内に蓄積・統合することを意味します。収集されたデータソースを統合処理し、収集の段階では明らかになっていない相互の関連性を紐づけします。この処理によって個々の顧客のデータが統合され、顧客情報が整理され、アプローチの方法を検討する材料になります。

分析は、顧客がどのようなセグメントに該当するのか、キャンペーンなどの販売促進活動への反応などを分析することです。得られた顧客情報を元に顧客の志向や購入見込み度合いを分析します。CDPが備える分析機能は、グラフ化・データ抽出による可視化、クロス集計、クラスタ分析、時系列分析などがあります。

アクションは、セグメント分けといった最終的な分析や結果を踏まえてメール送信、SNS配信、プッシュ通知、電話、広告配信、DM送付などのアクションを起こすことです。

CDPの分類

現在提供されているCDPツールはアセンブリー型、アナリティクス型、CX/CRM型の3つに分類できます。それぞれ得意とする領域が異なるため、目的に応じた選択が必要です。

アセンブリー型は、データ収集のリアルタイム性やWebサイト経由のデータ管理機能に優れています。タスクマネージメントをベースにして顧客管理に発展したものです。

アナリティクス型は、さまざまな形式のデータを柔軟かつ長い期間にわたって蓄積し、自由にセグメントできることが強みです。データベースから派生したものなので、データ加工に向いています。

CX/CRM型は、レコメンデーションエンジンやMA(マーケティングオートメーション)などから発展したもので、データ統合だけでなく施策実行に強みがあります。

DMPとCDPとの違いは?

CDPと似た概念にDMP(Data Management Platform:データマネジメントプラットフォーム)というものがあります。どちらも、収集したデータを企業が活用するためのプラットフォームで、有する機能の有無によってCDPかDMPかが決まるのでなく、設計思想に違いがあります。

DMPは保管しているデータを使いやすい形にするために、市場を細分化してグループ化するセグメンテーションを行います。このセグメンテーションされたデータを元に、マーケティング担当者がアクションプランを立案。セグメント単位で施策を起こすためのマーケティングプラットフォームと言えます。つまりDMPの設計思想は、企業が保管しているあらゆるデータを収集・蓄積し、使いやすい形に統合しセグメンテーションするというのが中心にあります。

一方CDPは、DMPと同じようにデータを収集・蓄積、統合、セグメンテーションを行いますが、設計思想は実存する個々の顧客を中心としています。個々の顧客のプロフィールを精密且つ充実したものにするためにデータを収集し集積させ、広告配信などに利用するためにセグメンテーション化処理を行ったり、他のシステムとの連携のために個人管理情報との紐づけや統合をしたりします。統合するためには個々人のデータが鍵となるので、メールアドレス、会員ID、氏名、住所、生年月日などの個人情報がCDPで取り扱われます。

CDPは、自社の顧客や自社Webサイトを訪問した顧客の1st partyデータを含めた、企業が持つさまざまな種類のデータの統合と活用を容易にすることを重点に置いています。他方、DMPは自社以外の外部の第三者データである3rd partyデータを重点に置き、企業のマーケティング部門や広告代理店がターゲティング広告の精度を改善させることに設計が特化されています。

CDPを導入するメリット

CDPを導入することによって得られるメリットは、One to Oneマーケティング実現のために顧客個々人を軸としてデータを収集・蓄積・統合できるということがまず挙げられます。それによって企業側にも顧客側にもメリットが生まれます。

企業側のメリットから見てみると、自社の顧客個々人が求めているものが何であるのかが明確になり、結果として一人ひとりにカスタマイズしたマーケティングが可能になる点が挙げられます。

従来はFacebookやTwitter、ECサイト上での顧客の行動データはそれぞれ個別のシステムで収集して部門ごとに異なったプラットフォームで確認していました。さらに、それらのデータを自社ECサイト内から得られた顧客データと紐づけしたうえで分析していたので、企業側から顧客側への情報発信に至るまでは多大な時間と労力を要していました。

しかし、CDPを導入すればこのような散在したデータを一括して収集・分析することが可能になり、顧客の求めているものが何であるかを容易に見つけることができるようになるので、個々の顧客に応じた的確なマーケティングが可能になります。顧客が欲していない情報を発信してしまうリスクも低減でき、マーケティングに要していた時間と労力を大幅に軽減できます。

次に顧客側のメリットを見てみると、自分が探している情報をタイムリーに受け取ることができるようになる点が挙げられます。

CDPは収集したデータをリアルタイムで活用できるので、例えば顧客が自社ECサイトを訪れたタイミングでそのサイトでの購入履歴をはじめメルマガのクリック記録、SNSでの行動履歴を反映したおすすめ商品が表示されます。これはCDPが自社内のサイトだけではなく、さまざまな場所での顧客の行動データを収集・分析しているから可能になるのです。顧客にとっても、今欲しい情報が的確なタイミングで届けられるのは大きなメリットでしょう。

まとめ

従来は情報をセグメンテーションするDMPがその役割を果たしていましたが、個々の顧客が求める個別の情報発信を行うためには、より一人ひとりの個人に焦点を合わせてデータを統合する必要があります。

CDPはそのような顧客情報を収集・分析するシステムの大きな変化の中から生まれた顧客データ管理のためのプラットフォームです。

顧客データの収集・分析・管理がCDPによって一元的に統合されることにより、企業はそのデータを元にどのようなマーケティングを行うべきかを考えることに専念できます。

個々の顧客に特化した情報発信をタイムリーかつ効率的にしていくうえで、CDPは今後も重要性を増していくことでしょう。

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