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Know-how / 2020.02.10

デシル分析とは?活用する目的やメリット・デメリット、手順を解説

デシル分析は顧客を累計購入金額に応じてグルーピングする手法です。

顧客をグループ分けすることで、各グループに見合うマーケティング施策を計画・実行できます。また、分類する際の指標が1点のみであるため比較的単純明快な分析方法です。

今回は、デシル分析の概要や他の分析手法との違い、実施の手順などを詳しく解説します。

目次

デシル分析とは

デシル分析とは、購買データを元にすべての顧客の購入金額を高い順に10等分し、各ランクの購入金額・売上高構成比を試算する分析方法のことです。「デシル」とは「デシリットル」に近い言葉とされ、ラテン語では10等分を意味します。

デシル分析によって比率や構成比が明らかとなるので、売上貢献度の高い優良顧客層を把握することができます。つまり、全顧客を購入金額からグルーピングして把握し、そこから有益な情報を掴む分析手法なのです。

具体的な手順としては、まず、購入金額の高い順に顧客を並べて10等分し、上から「デシル1」「デシル2」「デシル3」…「デシル10」とします。次に、各デシルの売上構成比や購入比率を試算し、「優良顧客層」として売上貢献度が高いデシルはどのグループであるのか可視化します。売上貢献度が高いグループに対して、効果的なマーケティング手法を用いることで、売上に直結しやすい効率的なアプローチが可能になるのです。

ちなみに、デシル分析はECサイトにおいても有効な分析手法です。データを集計し、ピボットテーブルなどを活用することで比較的短時間で実践できます。簡単なだけにデジル分析だけでは個別詳細な分析が難しい場合もあり、おおまかな分析・発見に留まりますが、他の売上データと紐づけるなど活用次第でさらなる情報を得るきっかけになるでしょう。

デシル分析の実施方法

デシル分析の実施方法について、具体例をもとにご紹介していきましょう。

例として、500人の顧客がいると仮定します。

まず、購入金額順で10等分のグループ分けを行います。この例では1集合体ごとに50人ずつに分けられます。次に、グループごとに1人当たりの購入金額や購入金額の合計・購入金額の比率を算出します。下記の表をご覧ください。

引用元:MARKETTER’S COMPASS https://bdash-marketing.com/about-ma/blog/marketing_blog/10455/

上記の表では、デシル1から3までの集合体のみで売上のほとんどの総合購入金額比率を占めていることが分かります。そのため、マーケティング施策を打つのであればデシル1から3の集合体に対して行うのが重要です。

各集合体に分けた後は、集合体それぞれに適したマーケティング施策を考えていくことになります。例えば、リピート購入につながると思われるデシル1から3当たりの顧客に対しては、割引クーポンやグレードの高い商品をレコメンドするなどの施策が有効でしょう。

この場合において、デシル10のグループに何か購買を促すようなメッセージを送ってもコストが無駄になる可能性があります。そのため下位のグループには、例えば低価格の商品によって安さやお得さの訴求を行えば購買までつなげられる可能性があります。

このように、顧客がどのデシル帯に属しているかで、アプローチの方法を変えていくと良いでしょう。

デシル分析の目的

デシル分析の目的は、現状の顧客層を把握し、グループごとに効率の良いマーケティング施策を実施することにあります。

全ての顧客に画一的なアプローチを行うのは効果的とはいえませんが、デシル分析を行って売上貢献度をベースに顧客を10個のセグメントに分けることで、それぞれに合う施策を考えることが可能になります。顧客全員に漫然とマーケティング施策を打つよりも、購入可能性の高い顧客層だけに注力することが可能になるので、費用対効果の向上が期待できます。

マーケティングにおいて、「売上の80%は上位20%の顧客が生み出す」という話があるように、デシル分析をすることで上位20%の顧客を可視化することができるのです。それは施策を効率的に進めて、自社の売上を拡大する際には大きな影響を与えることでしょう。

デシル分析のメリット・デメリット

では、デシル分析のメリット、デメリットを見ていきましょう。

デシル分析は顧客の購入金額から10等分してアナライズする手法です。メリットは指標が1つであるため、手軽で簡単に実行でき、スピード感を持って実施できます。

何か特殊なツールをわざわざ導入する必要もなく、Excelなどの表計算ソフトと基礎知識があれば分析が可能なことも魅力の1つです。

アプローチの考え方も理解しやすく、基本的には購入金額がトップのデシル1にもっとも多くの予算を使い、他の集合体は優先度を下げるという施策を講じます。逆に、顧客全体の底上げを行う場合には、下位の集合体を狙って施策を打ちましょう。

ちなみに、デシル分析を活用した販促施策の代表例として、優良顧客であるデシル1やデシル2に対してパーソナライズされたクーポンを配信したり、メルマガを配信したりする手法があります。これらの手法は優良顧客に対して定期的なアプローチを行うことで、関係性をより強固に保って離脱を防げるうえに、アップセルやクロスセルも期待できるため効率的な売上拡大が図れます。

一方で、デシル分析の「単純さ」にはデメリットもあります。

一般的に、商品を買うときは単に価格が高い、安いだけで購入を決めないでしょう。消費者視点に立ったとき、商品の購入にはさまざまな要素が絡み合います。

また、購入から数年経っている場合でも、高額商品を購入した顧客は上位のグループに入る可能性もあります。したがって、細かい分析や長期的なマーケティング戦略を考えていくには不向きなケースもあるのです。

デシル分析の活用方法

これまでにご説明した通り、Excelを活用したデシル分析はもちろん、データを保存しつつ他の分析も活用したい場合はBIツールを活用するのもおすすめです。

Excelを活用してデータ集計を行う場合、最低限4つの項目が必要になります。4つの項目は以下の通りです。

・商品の注文を識別できる注文番号

・顧客を識別できる顧客ID

・購買日

・購買金額

これらをExcelにまとめ、ピボットテーブルを利用して集計すれば、顧客ごとの購買金額や累積購買金額などの各種データをまとめることが可能です。知りたい期間内の購買金額の状況を順位付けしてグルーピングすれば、デシル分析を行うための必要材料が整います。

もうひとつ、BIツールを活用する方法についてもご紹介します。

BIツールとはビジネスインテリジェンスツールの略で、企業に蓄積されたデータを集めて分析し、素早い意思決定を助けるためのツールのことを指します。自由にデータを整理・加工・活用したい場合はBIツールを活用した方が使い勝手が良いかもしれません。

また、BIツールは社員で情報共有するのにも役立つツールです。今後、さらに詳細な分析をする予定がある場合は、BIツールを導入してみるのも良いでしょう。

最後に、データを有効に活用するためにはマーケターの育成も忘れないでおきましょう。

デシル分析をより賢く活用したり、腰を据えて販促・マーケティングをしたりするならば、マーケティングの知見を積むことが大切です。社会全体にとって価値のあるものを発信したいのであれば、マーケティングのプロの存在が必要です。デシル分析を含めたさまざまな分析方法を習得し、市場への観察力に優れるような人材育成に力を入れましょう。

RFM分析との違い

RFM分析とは、顧客のRecency(最終購買日)・Frequency(購買頻度)・Monetary(累計購買金額)の3つの指標から分析する方法です。それぞれを5段階評価していくだけでグループ数は125にも上り、グループごとに施策を考えるのは現実的ではありません。

RFM分析とデシル分析の違いを端的に説明すると、まず指標の数が異なります。RFM分析が3つの指標からなる分析手法であるのに対して、デシル分析は購入金額という1つの指標からの分析です。1つに指標が絞られている分、比較的楽に試算できますが、RFM分析と比較するとやや正確性に欠ける点があります。しかし、RFM分析はシンプルさという点では劣り、かなり複雑なデータとなるため、分析業務の経験がないと活用が難しいかもしれません。これから分析業務を始める場合には、まずは簡単なデシル分析を行ってみて、慣れてきたらRFM分析を取り入れることをおすすめします。

また、RFM分析もデシル分析もデータから因果関係を読み解き、注力するターゲットを見定められますが、貢献度が低い顧客だからといって、放置したままで良いという訳ではありません。あくまでアプローチの優先度を決定したにすぎないという意識を持つことが大切です。

今は売上への貢献度が低くい顧客でも、ゆくゆくは優良顧客となり得る可能性も多いにあります。この先の未来においても安定的な売上を実現するために、優先度を決めたうえでどの顧客にも抜かりなく対応することを忘れないようにしましょう。

ABC分析とは

もうひとつ、デシル分析に類似する分析手法である「ABC分析」について見ていきましょう。

さきほど、RFM分析よりもデシル分析のほうがシンプルであると説明しましたが、ABC分析はデシル分析よりもさらにシンプルな分析手法です。

ABC分析では、デシル分析と同じく「購入金額」の指標のみを使用します。金額順に顧客を並べていく点も同じですが、ABC分析ではその後のグループ分けはA〜Cの3グループのみです。ちなみにABC分析の場合は「3等分」にするのではなく、「売上高累計構成比の◯%までをAグループ」といった形で、分析目的などに応じて割合を設定してグループ分けを行います。

ABC分析は簡単な手順で全体を大局的に把握できるという利点がありますが、ひとつひとつのグループを構成する顧客数は多くなるため、デシル分析と比べても各グループのターゲット像は曖昧になります。

まとめ

今回はデシル分析のメリットやデメリット、手順についてご紹介しました。

デシル分析によって優良顧客とそれ以外の顧客をきっちりと区別し、ターゲットの特性にマッチするマーケティング施策を考え、実施することは重要な取り組みです。

ただし、デシル分析は手軽に始めやすい一方で、緻密な分析には向かないため注意が必要です。全体への当たりをつけたり、今後の施策の方向性を決めたりする際に有効活用してみましょう。また、デメリットをカバーするためには他の分析手法やツールと併用することがおすすめです。

これから顧客の分析を始めたいと思っている方は、今回ご紹介した内容を参考に、まずは簡単に行えるデシル分析を使ってみてはいかがでしょうか。皆さんもぜひ、顧客に見合ったアプローチをして、売上向上を実現していきましょう。

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