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Know-how / 2020.02.28

ヘルススコアとは?基礎知識や導入の流れ、主な指標を解説

企業にとって、顧客にどれだけ継続的にサービスを利用してもらえるかは売上を左右します。しかし、顧客の全てが継続的に利用してくれるわけではないため、企業は顧客と継続して関係を築くために色々なアプローチが必要です。

アプローチは、顧客それぞれに適した手法を行う必要があり、顧客に対応したアプローチ方法を判断する材料の1つとして「ヘルススコア」があります。

ここでは、ヘルススコアとは何か、ヘルスコアを利用する意味などについてご紹介します。

目次

ヘルススコアとは

ヘルススコアとは、顧客が今後継続的にサービスを利用してくれるかどうかを数値化したものです。顧客が自社のサービスをどの程度利用しているか、自社の理想的なサービス利用がされているかどうかを測定し、サービス利用における健康状態を測ることができます。

ヘルススコアが高ければ今後の継続的な関係性が見込めますが、この数値が悪いと自社サービスを解約する割合が高いことになります。

ヘルススコアをチェックする意義

では、なぜヘルスコアを用いて顧客の健康状態をチェックする必要があるのか、その意義についてお伝えします。

解約防止につながるアクションが取れる

ヘルススコアの結果をもとに、フォローすべき顧客である解約予備軍(チャーン)と呼ばれる顧客の判別ができるので、最優先でフォローが必要な顧客にしっかりと対応ができ、解約を未然に防ぐことができます。

自社の売り上げを維持またはアップさせるには、顧客の存在が重要です。そして、獲得までに広告費などのコストのかかる新規顧客に比べて、既存顧客との取引を維持し続けることは利益向上につながります。

そのため、ヘルススコアの設計はカスタマーサクセスの重要な点の1つです。

ヘルススコアの点数が規定を下回った場合はすぐにサポートから連絡を行ったり、ヘルススコアが下降傾向にある顧客にはその要因に合わせて最適なサポート情報を紹介するなど、解約防止につながるアクションを取ることができます。

サポート対象の絞り込みが行える

ヘルススコアは、顧客の成功を考えて顧客との関係性の強化を行い、顧客生涯価値(LTV)を向上させることを目的とする「カスタマーサクセス」において重要な考え方です。

スコアによっては、同様の商品の高額なものや関連品を一緒にすすめて購入させる「アップルセル」「クロスセル」を行ったり、顧客にサービスに慣れ親しんでもらう手法「オンボーディング」を実施したりと、顧客の持つ数値に合わせて的確なフォローをすることができます。

また、ヘルスコアによって、顧客の自社サービス利用状況や、サービスを使いこなせているかなどを明確化することによって、自社が最優先でサポートしなければいけない対象の優先順位を付けターゲットの絞り込みができます。

カスタマーサクセスにおいては、顧客全てのニーズに応えるのではなく、成長の見込める顧客層に注視するように意識しましょう。その際の指標として、ヘルスコアを用いての顧客の絞り込みが重要になります。

必要以上のサポートを行わない線引きができる

ヘルススコアを用いることで、最優先でサポートする必要のある顧客の絞り込みだけではなく、サポートをせずに見守るだけにしておくなどの判断も可能です。

企業は、顧客全てに継続的にサービスや商品購入をしてもらいたいと考えていますが、中にはサポートをしても利用率の上がらない顧客は必ずいます。利用率の上がらない顧客に無駄に工数をかけてサポートをすることよりも、継続する見込みのある顧客に対して注力してサポートする方が効率的です。そのため、企業はヘルススコアの内容によって対応の仕方を事前に決めることが重要になります。

顧客に対して何もサポートしないということは、もちろん顧客損失のリスクがあります。しかし、あらかじめヘルススコアの基準値を定めておき、それ以下の顧客はサポートを行わず、反対にサポートの必要な顧客にだけに集中することで、全体的な業務効率が上がり、質の高い顧客を増やしていくことができるのです。

それでも解約してしまうユーザーにはどう接する?

ヘルススコアをもとにさまざまなサポートを実施したとしても、どうしてもユーザーの解約は発生してしまうでしょう。

そこで重要となるのは、解約申し出の承諾とこれまでのお礼です。

顧客がサービスを解約したい理由はさまざまですが、「料金が払えない」や「サービスが満足できなかった」などが大半を占めています。したがって、顧客の「解約したい」という気持ちをしっかりと受け止めるとともに、今までサービスを利用してくれたこと、わざわざ連絡をしてくれたことに対する感謝の気持ちを伝えこることが重要です。

顧客側は、解約の申し出が快く受け入れられれば、解約したい具体的理由を話してくれる余裕が生まれ、自社も解約理由に対する対処法を提案したり、今後の改善に活かしたりすることができます。

ここで、むやみに解約を阻止しようとしたり、感謝の気持ちを伝えないような行動に出たりしてしまうと、解約防止には逆効果になってしまいます。

解約したい顧客を無理やり引き留めるよりも、まずは顧客の要望を受け止めて真剣に答える姿勢が解約防止につながることを忘れないようにしましょう。

ヘルススコアの導入方法

ここでは、ヘルススコアを導入する方法についてご紹介します。

顧客の理想的な状態を定義する

はじめに、自社にとってどういった状態が顧客の理想的な健康状態なのかを決める必要があります。

健康状態については、健康であるかではなく不健康である状態を考えましょう。不健康な状態の例としては、「利用している頻度が少ない」「利用時間が短時間である」「利用している機能が少ない」「サービスを推奨する行動がみられない」などがあります。理想的な状態を定義する際は、今挙げた代表的な不健康な状態の例を参考に、利用頻度がどのくらいあれば健康状態が良いのかなどを逆算して考えましょう。

測定可能なデータを用いてヘルススコアの決定要素を決める

ヘルスコアを指標する決定要素は、業種や業態によって違いがありますが、例えば「サブスクリプション型サービス」の顧客の継続性を考える場合は、基本的な項目とその他の項目があります。

ちなみにサブスクリプション型サービスは、自社が提供しているサービスの数ではなく、利用している期間に応じ対価を支払う方式のことです。一般的には、「定額制」とも言われ、動画配信や音楽配信などでよく見られる形式です。

サブスクリプション型サービスのヘルススコアの決定要素について、まず基本的項目は3つあります。

1つ目は、「サービスの利用状況」です。サービスにおける重要な機能が利用されているのかどうかを判断します。重要な機能を利用している場合は、サービスの価値がしっかりと顧客に伝わっている証拠です。重要な機能が想定よりも利用されていないのであれば、顧客に魅力をしっかり伝えるなどの工夫が必要です。

2つ目は、「ログイン回数」です。日々ログインして利用するサービスの場合、ログイン率の減少は解約する兆候です。顧客の1日・1か月のログイン回数を確認することで、サービスの課題点や他のサービスを利用している可能性を疑い、対策を講じましょう。

3つ目は、「NPS」です。NPSとは、顧客のサービスに対する信頼や愛着を示す「ロイヤリティ」の指標です。顧客に対して自社サービスを他の人に推奨できるかを10段階で評価してもらいます。顧客の評価が高ければ高いほど、顧客がサービスに対してのロイヤリティが高いことが分かり、解約する確率も低いことがうかがえます。

以上の基本的な項目に加え、イベントやセミナーへの参加回数や、自社のサービス導入例として紹介させてもらえるか、営業担当者が相手側の意思決定権の持つ人とのコンタクト回数などがその他の重要なチェック項目となります。

ヘルススコアの算出方法を決める

ヘルススコアの決定要素を決めたら、計算方法を決めましょう。

ヘルススコアの計算式には決まった形式はありません。自社で集めた顧客の指標をもとに独自で計算方式を作り出します。

主な事例としては、ログイン頻度、メンバー招待をしたかどうか、チャットによるメッセージの送信数などを数値化したものを集めます。数値化の具体例は以下のとおりです。

・ログイン頻度が1ヶ月で1回もない場合には0点、1週間に1回は10点、毎日ログインしていれば30点

・メンバーを招待していない場合は0点、した場合には10点

・メッセージ送信が1回もなければ0点、5回の送信数で10点、10回以上の送信があれば30点

このように、顧客ごとの健康状態を採点して可視化することによって、解約しそうな顧客に適切な対策を講じることができます。

なお、解約率を確認する計算式として「カスタマーチャーンレート」「レベニューチャーンレート」の2つの計算方式があります。チャーンレートとは、サービス解約を表す指標のことです。

カスタマーチャーンレート

カスタマーチャーンレートとは、自社の顧客の数を軸に計算する方法で、顧客全体のうち一定期間内に解約した割合を示す計算方式です。

ちなみにカスタマーチャーンレートには、顧客数ではなく、契約している企業の数から一定期間で解約した割合を示す方式「アカウントチャーンレート」もあります。

レベニューチャーンレート

レベニューチャーンレートは、「グロスレベニューチャーンレート」「ネットレベニューチャーンレート」の2つに分かれています。

グロスレベニューチャーンレートは、解約で失った収益を軸とした計算方式で、月初めの収益に先月の損失した収益を割って解約率を導き出します。

一方で、ネットレベニューチャーンレートは解約で失った収益とクロスセルなど顧客単価を拡大させた金額を合算したうえで、月初めの月次収益で割る計算方式です。

一般的なチャーンレートは、カスタマーチャーンレートを指していますが、レベニューチャーンレートもサブスクリプションサービスには重要であることを忘れてはいけません。特にネットレベニューチャーンレートで出される数値には、マイナスかプラスかによって自社の収益にどこまで影響を及ぼすかが分かります。

ネットレベニューチャーンレートを駆使することで、今後のサブスクリプションサービスの成長を加速することが可能になるわけです。

ヘルススコアを活用する

ヘルスコアは算出するだけではなく、出された数値に対して顧客にどういったアプローチをして改善していくのかが重要です。顧客の生涯価値を軸に3つの層に分けることで、層ごとに適したアプローチをします。

1つ目は、「ハイタッチ」です。ハイタッチは、自社の大口顧客にあたる人を言います。顧客生涯価値の高いハイタッチには、個別でのサポートや勉強会、直接営業でのカスタマーサクセスのプラン提案やカスタマイズを行いましょう。

2つ目は、「ロータッチ」です。ロータッチへのアプローチは、個別ではなく集団でのアプローチになります。具体的には電話やメールでの応対、イベント開催などをしますが、ロータッチをいかにハイタッチに変えるかはカスタマーサクセスで重要なことです。

3つ目は、「テックタッチ」です。テックタッチは、1番顧客生涯価値が低い層で、ロータッチとアプローチの手法は変わりませんが、テクノロジーを利用することで同時に広範囲に対応することが特徴です。

まとめ

カスタマーサクセスにおいてヘルススコアは非常に重要です。ヘルスコアの結果から顧客の生涯価値の高さが分かることで、顧客ごとに適したアプローチをすることができます。

ただし、ヘルススコアを導入したからといって解約率が減るわけではなく、自社の設計したヘルススコアに問題があると逆効果になります。また、顧客側も顧客ごとに、アプローチが違うことに差別を感じてしまう可能性もあるので、アプローチ方法の展開には注意が必要です。

経済的側面で考えると生涯価値の高い顧客に高いサービスを提供することは、実に理にかなっています。そのため、カスタマーサクセスの成功を考えるのであれば、根拠のある指標に基づいて算出したヘルススコアを用いて、顧客ごとにアプローチすることをおすすめします。

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