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Know-how / 2020.02.10

インナーブランディングとは?実施効果や進め方を詳しく解説

自社のブランディングを進めることで、価値を高めたいと考える企業は少なくないでしょう。ブランディングは自社のロイヤリティを上げることにつながります。しかし、一口に「ブランディング」と言っても、インナーブランディングやアウターブランディングなどの種類があり、それぞれ特徴や取り組み方が異なります。

今回はインナーブランディングを中心に、アウターブランディングとの違い、インナーブランディングの実施方法や効果測定の方法などについてご紹介します。

目次

インナーブランディングとは?

近年、存在意義のある組織作りをするための手法としてインナーブランディングが注目を浴びています。ここでは、インナーブランディングについて、詳しくご説明します。

アウターブランディングとインナーブランディング

そもそもブランディングとは、ブランドを形作るための活動や施策の総称です。商品のデザインはもちろん、ロゴや名称など、多種多様な要素が組み合わさってブランドが作られています。

「インナーブランディング」と「アウターブランディング」はブランディングの種類で、それぞれ対象が異なります。

インナーブランディングは、従業員や内部のステークホルダーに向けたブランディングのことを指します。社内向け施策であるため、利益に直接関わるアウターブランディングと比較すると重要視されにくい傾向がありますが、サービス品質の向上やチームビルディングには欠かせないものです。

一方、採用候補者や顧客、株主といった外部のステークホルダーなど、外向きのターゲットに向けたブランディングのことを「アウターブランディング」と言います。アウターブランディングでは商品やサービスなど企業のブランド価値を伝える活動を外部に向けて行います。

具体的には、ブランドのコンセプトを決めて、コンセプトに沿ったロゴや商品パッケージのデザインを作成したり、広告を打ったりします。アウターブランディングを行うことで、企業の表現する世界観やデザインに共感したユーザーの購買率を高めたり、ブランドとして認知してもらったりする役割を果たします。

インナーブランディングの目的

インナーブランディングは社内に向けてブランドを浸透させていく活動のことです。インナーブランディングをすることで、社員の自社ブランドに対する理解が深まり、商品やサービスの品質を向上させることができます。

また、企業としての魅力も高まり、優秀な人材が集まりやすくなったり、離職の防止といった効果も期待できます。自社に愛着を持ち、理念の体現に向かって一緒に取り組める仲間がいることで、やりがいを感じて働き続けられる環境ができれば、さらなる品質の向上や、社員の定着率向上、人材獲得につながります。

これらは結果的に、アウターブランディングの成功にもつながります。

より良い形で社外へのブランド認知を進めていくためには、まずはインナーブランディングを行い、社内でのブランドに対する共感や理念の浸透を進めていくことが重要なのです。

インナーブランディングの効果

次に、インナーブランディングのメリットや効果について6つご説明します。インナーブランディングを実践する前に特徴をしっかり理解しておきましょう。

1つ目は、企業としての方向に一貫性を持てることです。

経営方針や企業理念を浸透させ、社員の理解の一貫性が保たれます。インナーブランディングを徹底することで、理念に沿ったアイデアの創出やサービス提供が実現します。結果として、企業ブランドの価値向上につながるでしょう。

2つ目は、自社への愛着や誇りにつながることです。

インナーブランディングの結果、自社ブランドへの愛着や誇りを持つスタッフが増加します。愛着心のあるスタッフは、企業のポジティブなメッセージを対外的に発信してくれる存在になり、スタッフ一人ひとりがブランドの価値向上に貢献してくれるようになります。また、自社に愛着を持つことで、働くことに明確な意義が見出せるようになります。結果、離職率は軽減され、安定した人材確保につながり、事業継続もしやすくなります。

3つ目は、モチベーションや従業員満足度の向上です。

企業理念の実現に貢献しているという実感を得ることで、社員のモチベーションが高まり、ビジョンを達成するための自発的な行動が期待できます。業務に真剣に向き合うようになり、改善点を自発的に見つけてくれるようになるでしょう。これは業務の改善や効率化にもつながります。

4つ目は、アウターブランディングとの相乗効果が見込めることです。

自社ブランドが確固たる存在になることで、スタッフは社外への発信がしやすくなります。ブランド価値を意識したうえで物事を考えるようになるため、スタッフの行動や発言にも良い影響をもたらすでしょう。ブランドイメージがより強固なものになり、維持もしやすくなるうえに、ブレないブランドのスタンスに魅力を感じて入職志望者も増えるなど、採用活動にも良い影響が生まれるはずです。

5つ目は、顧客満足度の向上です。

ブランドイメージが明確になると、はっきりとしたビジョンや施策を打ち出せるようになるため、顧客満足度の向上が見込めます。また、商品開発もしやすくなるなどのメリットもあるでしょう。

インナーブランディングの進め方

続いては、実際にインナーブランディングを進めていく方法や、実施のポイントをご説明します。

現状の把握

インナーブランディングを考える際に必要なことは、自社の現状を正しく把握することです。現時点での自社ブランドのスタッフへの浸透度を理解したうえで、インナーブランディングに向けた施策に着手するべきです。自社ブランドやビジョン、経営理念をスタッフがどう捉え、理解しているのかを調べるためにアンケートを実施しましょう。

また、個別インタビューの実施や組織課題を抽出する棚卸しセッションなども有効です。スタッフの理念への共感が弱いのであれば、全社へ向けてミッションを伝えたり、社内ワークショップを行ったりするなどの方法も良いでしょう。

目指すべき「MVV」の策定

インナーブランディングを進めるにあたって、「ミッション・ビジョン・バリュー」の策定もしくは見直しは必ず行っておきましょう。「ミッション・ビジョン・バリュー」は、それぞれの頭文字を取って「MVV」と呼ばれることもあります。

組織のミッションやバリューといった決まり事が曖昧な状態では、統率がとれずに組織として弱くなってしまいます。この状態が継続してしまうと目指すべき組織の形を実現できず、会社にとってメリットはありません。そこで、社内で共通する価値観を具体的に浸透させることで、組織が変わっていくための礎にするのです。

そのためには、まず企業の存在理念(ミッションとビジョン)を決めて会社の存在意義(WHY)を定めます。その次に行動規範(バリュー)を決めることで、会社が何者なのか(WHO)を明確にしましょう。

MVVを定めることで、自社が進む方向を定義することができます。スタッフも、なぜこの会社で働いているのか、どんな目標へと向かっているのか、どのような行動をとったらいいのかなど、一人ひとりが意識できるようになります。常に同じミッションを掲げる必要はなく、組織の状態や会社のフェーズによって、MVVを企業の置かれている状況に合わせて改定していくことも大切です。

MVVを社員に根付かせる

MVVを策定したら、スタッフに浸透させていくアプローチが必要です。

浸透させていくためにさまざまな方法が考えられますが、ある企業では共通の価値観となるバリュー(行動規範)を浸透させるために、カルチャーブックを用意したそうです。この事例では、バリューをイラスト付きで分かりやすく伝えたことで効果的にバリューの浸透を図ることができました。ちなみに、カルチャーブックを活用した方法はNetflixやZapposをはじめ、多くの海外企業でも取り入れられています。

その他にも、インナーブランディングを浸透させるために有用な手段はいくつかあります。具体的にどのような手法か、種類ごとに見てみましょう。

・クレドカード

クレドカードは、企業の信条や企業理念、行動指針をカードの形にまとめたものです。スタッフに配布して常に携帯してもらうことで、理念の浸透を図ります。確認しやすく、すぐに覚えられるように簡潔でキャッチーな言葉でまとめましょう。

・ポスター

自社に愛着が持てるようなポスターを制作するのも、有効な手法です。従業員に興味を持ってもらうために、著名なデザイナーや漫画家などに作成を依頼するケースもあります。とはいえ、社内に過剰に張り出したり、ポスターの主張が強すぎたりすると、ネガティブな印象を持たれてしまう可能性もあるため注意が必要です。

・動画

企業の想いやビジョンを詰め込んだムービーを作成して公開する手法です。手作り感のあるものでも、しっかりと作り込んだものでも、どちらでも好感を持たれやすいでしょう。自社で制作することが難しい場合は、専門の会社に依頼することも可能です。依頼する際は、動画を作る目的やコンセプトを丁寧に伝えるよう留意してください。

・社内向けWebサイト

従業員に向けて情報発信をするクローズドな環境を提供することで、インナーブランディングを行う方法もあります。会社の理念や歴史、最新のトピックスなど、役立つ情報も掲載すると見る頻度も上がり、自ずと理念浸透が促進できます。社内報をウェブ公開にするのもいいでしょう。

・周年イベント

周年イベントなど、大勢の社員が集まる中で理念とビジョンを共有する取り組みも大切です。トップダウンで一挙に発信しやすい場でもあるので、高い効果が見込めます。

バリューをスタッフに浸透させるときに大切なことは、絶対的なルールとして押し付けないことです。あくまでもバリューは「法律」ではなく、困ったときに立ち返る行動指針のような存在であるべきなのです。「縛られている」とスタッフが感じてしまっては、窮屈感を感じてしまうでしょう。方向性を定めるためのMVVを浸透させる段階で、スタッフに不満を持たれては元も子もありません。

実施効果を定点観測し分析

インナーブランディングを実際に行った後には、どれくらいの効果が出ているかを測定・分析をする必要があります。

有効な測定方法として、「eNPS」があります。eNPSとは、「Employee Net Promoter Score」の略称で、従業員ロイヤリティ(職場に対する愛着・信頼の度合い)を測る方法です。端的に言えば、製品、サービスを他人に教えたいかどうかを数値化した指標がeNPSです。

eNPSでは従業員にアンケートを実施し、0~10点をつけてもらいます。そして、点数によって批判者・中立者・推奨者という3つのグループに分類します。さらに、全回答者において推奨者の割合から批判者の割合を引いて算出します。プラスの値になれば満足している人が多いと推定できるため、インナーブランディングが成功しつつあると考えても良いでしょう。

インナーブランディングの効果測定には組織サーベイを用いる方法もあります。組織サーベイとは、適切な施策を選定するために実施する企業調査のことです。ある会社では、組織の状態を知るために、高頻度で実施するパルスサーベイと、人間関係調査の診断サーベイの2つを導入しているそうです。2つの調査を併用することで問題を可視化し、原因に対する仮説や改善点が立てやすくなるメリットがあります。

このように、インナーブランディングの実施効果を定点観測して分析する方法はいくつか存在します。いずれにしても、インナーブランディングを良い方向に導くためには、eNPSや組織サーベイを活用してPDCAを回していくことが求められているのです。

まとめ

今回はインナーブランディングをテーマに、実施の目的や効果、実際に行う際の手順などをご紹介しました。

インナーブランディングは、スタッフの離職対策やモラルの向上につながるだけでなく、サービスの品質向上、そして消費者の満足度へとつながる重要な取り組みです。

アウターブランディングが直接的に売上に響くものであるのなら、インナーブランディングは土台を築くものです。土台を盤石に仕上げることこそ、企業の存在を安定させるためには必要なことではないでしょうか。

競争社会を生き抜いていくためには、インナーブランディングは無視できません。ぜひ、会社の価値を上げていくためにインナーブランディングを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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