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Know-how / 2020.02.08

オムニチャネルとは?実現するメリットや成功のポイントを解説

近年、実店舗やネット通販、アプリなど、顧客と接点を持つチャネルを互いに連携させてアプローチする「オムニチャネル」という考え方が注目されています。

オムニチャネルは今後マーケティング戦略の中心になっていくと言われています。しかし、販売経路を連携させることでどういった効果が生まれるのか、利益向上に向いているのかなど、オムニチャネルの概念を理解していないと有用性がいまいち分からないものです。

ここでは、オムニチャネルについての説明と実現させるメリット、実際に成功した事例についてご紹介します。

目次

オムニチャネルとは

オムニチャネルとは、顧客との接点となる複数のチャネルを連携させることで、顧客にチャネルごとの違いを意識させることなく、あらゆるチャネルから顧客にサービスを提供できる状態を作ることを指します。

近年インターネットが普及し、通販サイトで買い物をする人が増えてきました。その中でも、欲しい商品を店舗へ直接見に行き、実際に手に取っても購入せずに試すだけの場合や、店員の説明を聞いて気に入ったとしても店舗では買わずに通販サイトで安く購入するという「賢い買い物」をする消費者が増えています。そのため、多くの企業や小売店が販売機会を失ってしまっていました。

その問題を打破するために、大手企業が中心となって実店舗とインターネットを統合した販売システムの構築を進めました。顧客に各チャネルの垣根を感じさせずスムーズな購買体験ができるように、戦略的に販売するシステムが「オムニチャネル」です。

オムニチャネルが実現すると、例えばこのようなことができるようになります。

ある顧客が店舗で商品を探していたところ、目当ての商品が売り切れていました。しかし店員に確認すると、その店のECサイトには在庫があるようです。そこで、顧客は店舗でその商品の支払いを済ませ、ECサイトから自宅へ商品を発送してもらうことにしました。

この例では、実店舗とECサイトの垣根を顧客に感じさせることなく、スムーズな購買体験が行えています。ECサイトの在庫情報が連携されていたことで、ユーザーにそのことを伝えられ、さらに店舗で支払いや発送手続きを行えたことで、顧客を逃してしまうリスクを抑えることができました。もし顧客が帰宅してからECサイトで購入することになっていたら、購入を先延ばしにするリスクや、別店舗のECサイトで購入してしまうリスクがありました。

オムニチャネルが生まれた背景

オムニチャネルという言葉が世間に広まるようになったのは、2011年にアメリカの百貨店Macy’s(メイシーズ)が行った取り組みがきっかけです。当時アメリカの百貨店は、Amazonなどネット通販市場向上の影響を受けて、店舗のショールーミング化が進行するなど、長らく営業不振に悩まされている状況にありました。

Macy’sは膨大なシステム投資を行い、店舗と自社ECサイトの差をなくしました。あらゆる情報を一元管理することで、顧客のニーズの取りこぼしを防ぐことに成功しました。

オムニチャネル化によってブランドの優良顧客の増加だけではなく、企業全体の在庫整理と売り場の効率化が促進され、結果的に企業利益が以前とは見違えるように向上したのです。

マルチチャネルとの違い

オムニチャネルのほかに「マルチチャネル」という言葉も、近年使われる機会が増えています。これらの違いはどういった点にあるのでしょうか。

マルチチャネルとは、複数のチャネルで顧客との接点を持つことを示す戦略です。

つまり、「実店舗だけ」「ECだけ」と単一のチャネルのみで接点を持つのではなく、実店舗も持ちつつ、ECサイトも運営、さらにアプリやSNSも活用するといった形で、複数のチャネルを持つ戦略です。

マルチチャネル戦略をとってチャネルが増えれば、その分顧客との接点も増やすことができますが、一方でマルチチャネルには、各チャネル間で情報が独立してしまっているという弱点がありました。例えば、ECサイトの在庫情報と実店舗との在庫情報が連携されておらず、どちらかで品切れが発生した場合、もう一方のチャネルに誘導するような仕組みが取れず、結果として機会損失を生んでしまっていました。

この弱点を補い進化させたのがオムニチャネルです。

顧客との接点である販売経路を複数持ちながら商品やサービスを販売する点はマルチチャネルと同様です。しかし、オムニチャネルでは各チャネルの情報(在庫情報・顧客情報など)を統合して管理しており、顧客はどのチャネルからでも一貫した購買体験ができるようになっています。

O2Oとの違い

オムニチャネルと間違えやすいものとして「O2O」があります。

O2Oは、Online to Offlineの略語で「On2Off」と表現されることもあり、英語の意味通りオンラインからオフラインの店舗に誘導することに重きを置いた考え方です。例えば、ECサイトを使う顧客にクーポンやお得情報を提供して、実店舗での購入を促し拡大を目指すなどの施策がO2Oにあたります。

O2Oは、売れ行きの滞っている店舗などに顧客を誘導し販売促進を促すのに対して、オムニチャネルは顧客と企業の接点を複数持ちながら、顧客体験に一貫性を持たせる販売活動のため、O2Oとオムニチャネルではアプローチ方法が全く異なります。

オムニチャネルを実現するメリット

顧客との接点を持つ販売経路を連携させるオムニチャネルですが、連携させることで生まれるメリットがあります。

ここでは、オムニチャネルを実現することで生じるメリットについて3つご紹介します。

顧客の利便性や満足度の向上

オムニチャネルでは、流通経路を統合させることで、顧客側はあらゆる購買手段の選択肢から自由に決めることができます。そのため、顧客に合わせた購買手段を提供できれば、顧客満足度も向上し売上アップにも繋がります。

例えば、実店舗販売の商品が品切れだった場合、今までであれば他の店舗に行って在庫があれば購入するかネットから購入するかに方法が限られていました。しかし、オムニチャネルを実現することができれば、ネットや別の店舗に在庫があるかすぐに確認することができ、後日商品を宅配で届けるといったことが可能です。

オムニチャネルは、目的ではなく手段です。企業が、顧客に対してどうしたら価値のある商品を提供できるかを考えたうえで戦略を立てることが重要になります。

ショールーミングの対策

ショールーミングとは、実店舗で商品を見たり触ったりして確認するものの、その場で購入はせず、価格が安価であるオンラインで購入するという購買行動です。スマホの普及によってネットで商品を購入する割合が増加している現在は、実店舗でのショールーミングが増加し、その対策が課題となっていました。

ショールーミングの対策としては、オンラインショップの値段に対抗して商品価格を下げることや顧客がネット購入することを受け入れたうえで、商品についての情報検索のサポートを行うなどの対策案があります。しかし、これらの方法は根本的なショールーミング対策とはなりません。

ここで対策として活用できるのがオムニチャネルです。オムニチャネルを展開することで、ネットで購入したものを店舗で受け取れるようにしたり、店舗に在庫がなかった場合にはその店舗の通販サイトで購入したりできるなど、顧客に合わせた柔軟な購買方法がとれます。さまざまな販売経路を所有し、顧客と多くの接点を持てるオムニチャネルだからこそできる対策です。

情報管理の効率化による業務コスト削減

オムニチャネルでは、店舗やショッピングサイトの情報を一元管理します。今までは、各販売経路が個別に受注や発送を行うのが一般的でした。しかし、情報をまとめて管理するため、業務の効率化につなげることができます。

また、情報の一元管理ができるようになったことで、今までかかっていた管理システムの維持費が削減されるうえに、在庫を適正化することができれば在庫ロスによる損失などのコストを削減ができる可能性が高いです。

もちろん、オムニチャネルを導入するためにはシステムに一定の投資は必要となりますが、長期的な視点では無駄を省いてコストカットできるメリットが期待できます。

オムニチャネル実現のためのポイント

オムニチャネルを実現することでさまざまなメリットが生じますが、実現させるためにはいくつかのポイントを押さえなければいけません。

ここでは、オムニチャネル実現のために重要となるポイントを3つご紹介します。

事前に十分な市況分析や計画策定を

オムニチャネルを行うには、まずロードマップの策定が必要です。ビジネスシーンでのロードマップというのは、目標を達成するまでの工程表のことです。

どこまでをオムニチャネルで実現させるのか、いつまでにすればよいかをプロジェクトの目的やタスクとして策定し、社員の役割分担やスケジュール調整を行って慎重に進めていくことが必要です。

オムニチャネル化は全社を巻き込んだ大きなプロジェクトになるため、慎重を期す必要があります。他社の動向や自社の強みなどを明確化させ、顧客のニーズや購入時のパターンなど詳細に分析することで、オムニチャネル成功の確実性を高めましょう。

各チャネルの連携とブランドイメージの統一

オムニチャネルは、実店舗やオンラインに関わらず全てのチャネルで顧客との接点を持ちます。全てのチャネルを統合させるということは、顧客に全てのチャネルが同じイメージであることを認識させなければなりません。

しかし、ブランドによってはチャネルごとにイメージを変えているケースもあります。イメージを統一させてないことがプラスに働く場合もありますが、上手に活用しないと顧客に混乱を与えてしまう原因となるため注意が必要です。

顧客に混乱を与えないためにも、最もブランドの価値が期待できるイメージをすべてのチャネルに適応させておくことが重要になります。

全チャネルを一元管理できるシステムの導入

オムニチャネル化を実現させるためには、チャネルごとに管理していた今までのシステムを抜本的に見直す必要があります。商品詳細や在庫情報、購入履歴などを一元管理させることで、店舗とネットとで顧客に対してシームレスな接客が可能になります。

そのため、全てのチャネルを横断的に管理することができる顧客管理システムは、シースレス化をするためには必要不可欠なツールになります。また、顧客管理システムでデータを蓄積していくことでより詳細な分析が可能となり、各ユーザーに最適なマーケティング施策が可能となるでしょう。

オムニチャネルを実現した事例

ここまで、オムニチャネルを実現したときのメリットや、実現させるために必要なポイントについて説明してきました。

具体的な成功のイメージをより掴みやすくするために、ここでは実際にオムニチャネルを実現させた事例をご紹介します。

オムニ7

オムニ7(オムニセブン)とは、イトーヨーカ堂やセブンイレブンを運営する「セブン&アイホールディングス」が2015年にオープンした総合通販サイトです。

オムニ7で利用できるサービスは、セブンネットやイトーヨーカ堂のネットスーパーを中心に、西武やそごうのe.デパート、赤ちゃん本舗のネット通販など、グループの垣根を超えた幅広いジャンルが揃えられています。

オムニ7では、自身が欲しい商品を検索するとオムニ7で取り扱っている商品候補一覧が全て表示され、購入した商品は、全国に1万9000店舗以上あるセブンイレブンで受け取りが可能です。仕事で宅配が届く時間に帰宅できない場合でも、コンビニであればいつでも受け取れる、まさにオムニチャネルの強みを活かしたサービスとなっています。

オムニ7では、ITを駆使した物流システムにより梱包と配送の効率化を行ったり、各グループのネットショッピングIDを一元化したりするなど、業務・管理の効率化を図っています。

中でも力を入れているのが、高齢者宅への食事配達時にタブレットを携行し、買い物のお手伝いをするという試みです。ネットに馴染みのない世代に対して、実店舗にない商品でもネットで購入できるという顧客体験をしてもらうことでファンを増やしています。

まとめ

オムニチャネルは、顧客と接点を持つ販売経路を連携させることで、ネットで購入しても店舗で購入しても同じように購入体験ができるようにしたシステムです。

オムニチャネルには、顧客満足度の向上や、店舗におけるショールーミング対策、さらに業務コストの削減などさまざまなメリットがあります。

アメリカで徐々に注目されてきたオムニチャネルは、今後の日本企業におけるマーケティング戦略の中心になると言われており、今後もますます目が離せない取り組みです。

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