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Know-how / 2020.02.13

パレートの法則とは?具体例やマーケティングへの活用方法を紹介

ブランドロイヤリティが重要になってくる昨今、どのような顧客やサービスが貢献しているのかを知るのは重要です。パレートの法則は様々な場面で使われる一般的な法則ですが、この概念を知ることでビジネスやマーケティングの理解を深めることができます。

今回はパレートの法則について、概要や応用方法、仕事に役立てるアイデアをご紹介します。

目次

パレートの法則とは?

パレートの法則とは、「上位2割の要素が全体の8割を生み出している」という法則です。2:8の割合構成から、「2:8の法則」「にはち(にっぱち)の法則」と呼ばれることもあります。経済学者のヴィルフレド・パレートは経済統計に関する資料を見て、「個人の所得」と「個人の所得以上の所得を得ている人数」の法則性に気付いたとされています。

この法則は社会現象や自然現象にも当てはまり、何事も平均的ではなくばらつきや偏りが存在し、それを集約すると一部が全体に大きな影響を持っている傾向が多いことを示しています。つまり、全体における少数の要素が全体に対して大きな影響力を持っているということです。

パレートの法則はリソースの最適配分を考えるうえで役に立つため、経営や品質管理、マーケティングといったビジネス領域で広く活用されるようになりました。例えば、鍵となる2割の要素を見つけることで全体の8割を生産することができるため、ただ漠然と同じ労力をかけるより飛躍的に効率的になるといった業務改善の分析は企業活動の中でよく見かけられるでしょう。

ちなみに、パレートの法則に近い法則として「ユダヤの法則」と「働きアリの法則」があります。

ユダヤの法則は「78:22の法則」とも呼ばれ、その名の通り「世の中の全ては78:22で成り立っている」という思想に基づいた法則です。例えば、「人間の身体の成分で、水とそれ以外の成分比が78:22」「正方形に内接する円の面積とそれ以外の四隅の面積合計の割合が78:22」「地球上の海の面積と大陸の面積が78:22」といった法則性に由来しています。他にも78:22の比率で構成されているものは多数存在し、私達の日常を取り巻くものを挙げていったらキリがないほどと言われています。ユダヤ人がこの法則を活用して、預金者と借金者を78:22の割合で管理し、銀行業で成功を掴んだ実績もあります。

もう1つの働きアリの法則は、パレートの法則を発展させたものです。働きアリの生態を観察すると、良く働くアリが全体の2割、普通に働くアリが全体の6割、サボるアリが全体の2割に分かれているというものです。ここで興味深いのは、2割の良く働くアリだけを集めても、しばらく経つと「2:6:2」の割合に戻ってしまうということです。

これらの法則は公式があるわけではなく、ビジネスや私達の生活の中で起きた経験から導き出された経験則です。しかし、紹介したいくつかの法則からも分かるように、単なる偶然の割合とは言い切れず、当てはまるシーンは多くあります。この法則を活用することで、ビジネスをより効率化する一助になるでしょう。

ビジネスにおけるパレートの法則の例

では実際に、ビジネスにおけるパレート法則の活用例をいくつか見てみましょう。

まず、マーケティング領域におけるパレートの法則の例としては、「売上の8割は、2割の商品によって生み出されている」「売上の8割は、全体のうちの2割の顧客によって生み出されている」などがよく聞かれます。また、Webサイト運営では「サイトのPVの8割は全体の2割のページが稼いでいる」というケースがありえます。これらは後ほど詳しく説明する「経営資源配分の最適化」などに活かすことができます。

さらに、パレートの法則はこういった分析的な側面だけでなく、仕事に望む上での心構えとしても活用が可能です。

新しい仕事に取り組む際、すぐに仕事に取り掛かる前に、その仕事の重要な部分について考えてから始めると効率的に仕事ができます。全体像をざっくりと把握してから、重要な2割の要素を見極める癖をつけるようにしましょう。また、その仕事に詳しい人に重要な部分をあらかじめ聞いておくのも良いでしょう。

他にも、プレゼンテーション用のスライドを作成する時にも役立ちます。

プレゼンで最も伝えたい2割のものに注力し、他はある程度の水準で留めておくというのも応用方法の1つです。10枚の内2枚の重要なスライドに時間をかけて作成した方が、高い成果と作成時間の短縮につながるはずです。

さらに、営業活動に絞った活用方法について考えてみましょう。

営業成績を伸ばしたい場合にもパレートの法則が役立ちます。パレートの法則に従えば、売上の8割は2割の顧客ないし商品によって生み出されています。そこで効率的に売上を伸ばすには、「売上上位2割の顧客は誰なのか」「売上上位2割の商品が何であるのか」を明確にして、優先的にアプローチを行うことが有効です。例えば、上位2割の顧客には営業チームが直接出向くなど手厚い営業をし、より丁寧にサポートをします。一方、下位8割の顧客にはメールや電話などで効率的に営業をするなどの施策が考えられます。

パレートの法則はマーケティングにどう活かせる?

次に、パレートの法則をマーケティングに活かす方法についてご紹介します。基本的な考え方として「一部の要素が全体に大きな影響を及ぼす」という原則のため、それを踏まえるとさまざまなシーンで応用することができます。では、項目ごとにチェックしてみましょう。

経営資源配分の最適化

活用例の1つとして挙げられるのが、経営資源配分の最適化に活かす方法です。先ほどご紹介した2割の優良顧客に手厚いサポートをするといったように、資源配分を見直すという手法です。

有名な事例としてアメリカン航空が行った施策があります。アメリカン航空は今では当たり前となった、マイレージの仕組みを開発したことで有名な航空会社です。

当時、航空券は色々な会社が販売しており、いつ誰がどの飛行機に乗ったのかが分からない状況でした。そんな中、アメリカン航空は独自に調査を行い、その結果「2割の顧客が売上の8割を占めていること」が判明したのです。そこで、アメリカン航空は乗れば乗るほど得になるという優良顧客向けのサービス「アドバンテージプログラム」を打ち出し、今のマイレージの原型となるものを開発したのです。このサービスが好評を博し、顧客はアメリカン航空を優先的に利用するようになりました。やがて、他社もこのサービスを真似するようになり、現在のマイレージの形へとなっていきました。

もう1つ、組織に関する経営資源の最適化について考えてみましょう。パレートの法則では、売上金額の8割は2割の社員が生み出していることになります。この場合は、一部の社員が会社を支えていることになります。売上に直結するこれら2割の社員を失うことは会社にとって大きな損失になるでしょう。そこで、経営者側はその2割に該当する社員をしっかりと見極めてサポートする必要があります。その2割の社員が最大限に成果を出すことができるように、給与の見直しや設備投資などを行い、経営資源を重点的に投資しましょう。そうすることで、効率良く売上を伸ばすことにつながるでしょう。

パレートの法則に当てはめることで気づきが得られる

次に、パレートの法則に当てはめて考える方法についてご紹介します。何らかの事象に対して、「8割を占める2割の要素」を探して、構成要素を分析してみましょう。こうすることで、8割の要素を改善する良い方法に気づくことができます。

例えとして、Webサイトを例に挙げてみましょう。自社ホームページの2割のページに、全体のアクセスの8割が集中しているケースがあったとします。まずは、アクセスが集中している2割のページについて着目。そして、どうしてこのページにアクセスが集中するのか、どのようなユーザーがアクセスしているかなど分析を行います。分析結果から流入数が多いページのポイントを割り出したら、残りの8割のページにもそのポイントを流用して改善を図りましょう。

もうひとつ、プロジェクトに応用する例をご紹介します。あるプロジェクトに取り掛かる時に、いきなり手当たり次第に始めるのではなく、着手するプロジェクトについてインターネットで検索したり、本を読んだりして情報を収集し、アタリをつけるというものです。色々な情報を収集していく内に共通する要素が出てくるため、その共通項にフォーカスして考えていくとプロジェクト全体像の理解が早まります。全体像への理解が早まることで、何から始めるべきなのか段取りが組み立てやすくなるでしょう。ポイントとしては、8割にあたる要素に注目するのではなく、まず中心となっている2割にあたる要素に着目してヒントを得ることです。そうすることで、残りの8割の要素を改善する良い方法も自然と浮かんでくるでしょう。

ただし絶対ではない点に注意

こうして、さまざまな場面にあてはめられるパレートの法則ですが、盲信しすぎるのも禁物です。一部の要素が全体に大きな影響を及ぼすという法則が必ず当てはまるというわけではありません。

例えば、売上の多くを占める2割の商品を重要視しすぎて残りの8割をないがしろにしてしまい、上位2割の売上が下がってしまったというケースもあります。実は全体の8割が上位2割の引き立て役となって、売上に貢献していたということもあるのです。

パレートの法則はあくまでも「法則」であり、それが何故成り立っているかは、各事象を詳しく分析して答えを導き出す必要があります。2割の要素だけに注力すればよいというものではありません。

パレートの法則は効果的な考え方ですが、その結果に囚われすぎず、慎重に分析して活用をしていく必要があるでしょう。

インターネットの普及によって生まれた「ロングテールの法則」

次に、パレートの法則と対を成すような概念「ロングテールの法則」についてご紹介します。

ロングテールの法則はアメリカのビジネスカルチャー雑誌・Wiredの編集長であるクリス・アンダーソンが提唱した法則です。商品の売上をグラフなどでまとめた時に、2割の売れ筋商品と、それに続くそれ以外の8割の商品が恐竜の尻尾のように見えることから「ロングテール」と名付けられました。ロングテールの法則は、尻尾の部分にあたる売れ筋商品以外の8割に着目した考え方です。

例えば、アマゾンに代表されるようにインターネット通販は実店舗と違い、店舗スペースを考える必要がないため、ほぼ無限に商品を置くことができます。また、売れた場合にはメーカーに発注すれば商品の補填ができるため在庫も必要ありません。こうして普段は売れない商品群であっても販売を積み重ねることで、ヒット商品の売上と比べて、ロングテール部分の売れない商品群の方が全体的な売上が大きいことが分かったのです。つまり、売れている2割も大事な一方で、残りの8割の売れていない商品群も重要だということを意味します。

パレートの法則のみで物事を考えてしまうと、「上位2割のヒット商品に集中すれば良い」「残りの8割は切り捨てても問題ない」と考える方もいるかと思いますが、安易な切り捨てがリスクになり得る可能性もあります。逆にロングテールの法則のみで考えて、「残りの8割のみに集中しよう」と意気込んでしまうのも問題です。つまり、パレートやロングテール、2つの考え方がありますが、それぞれどちらか一辺倒になるのではなく、状況に応じてバランスを取りながら法則を活用していくことが大切です。

まとめ

改めてパレートの法則をおさらいすると、「全体の内の上位2割の要素が8割の生産性を担っている」という法則です。パレートの法則は自然現象や社会現象にも当てはめることができる経験則で、経営や品質管理、マーケティングといったビジネス領域でも活用できます。

ビジネスにおけるパレートの法則は、業務効率をより良いものにしたり、営業成績を伸ばしたり、勉強にも応用が効くとても便利なものです。一方で必ずしもこの割合に当てはまらなかったり、残りの8割が実は重要な引き立て役だった、などのケースがあるため、過信しすぎるのも禁物です。また、パレートの法則と対を成すような概念「ロングテールの法則」があり、残りの8割の重要性も切り捨てられるものではありません。2割を重視するか、残りの8割重視するか、状況に応じてバランスを取りながら法則を活用していくことが大切です。

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